第2回 支援教育推進フォーラム 

昨日、相模原市で行われた神奈川県主催の支援教育推進フォーラムに参加してきました。当日は学校関係者、関係機関職員、保護者が出席されていて、保護者は半数以上を占めていました。私も子どもの高次脳機能障害への支援について学ぶため保護者としての立場と、綾瀬市の支援の状況や関係市の取り組み、神奈川県との連携などを知るために議員の勉強で出席し、とても参考になりました。

コーディネーターの滝坂信一さん(東京農大教授・神奈川県広域特別支援連推協議会 委員長)により分権が進むということは地域のことをそれぞれの市民が考え実現していくことだと解説されました。
たとえば自分の子どもたちが通っている学校をどうするかなどを考えそれを実現させていく、そのために行政はサポートをする機関であり、市民が地域を作っていくことを更に県もサポートするというのです。

そのあと各シンポジストから発言がなされました。

五味純子さん(大和市こども部保育家庭課 家庭こども相談担当・臨床心理士の取り組み)は施設によって障害を理解していないことや、子どもの自己肯定感をはぐくむ成長を望んでいること。スキルの定着は家庭であるから家庭の重要性。人に合わせる力だけでなく、一人でできる事、一人で考えられる事という社会性のスキルを育てることも大事との発言がありました。

上田貴康さん(海老名市教育委員会学校支援課)は主に教育現場の話をされ、不登校や荒れなど対人関係に発達の問題が隠れていると指摘されました。見た目では分からないけど困っているこどもがいるのでその子たちを早く見つけ出し、適切なアセスメントをしていく。昨年よりえびなっこサポートファイルを作成し就学前の児童から支援の継続に取り組んでいる。それぞれの課題を解決するために求心力のある機関が必要であるとの提議もなされました。

保護者の立場で敷島文さん(座間キャラバン隊代表)がわが子の子育て体験から障害児を持つお母さんたちが集まり、周囲に障害を知らせる活動をされ全国にキャラバン隊が発足されるまでになったということでした。とてもエネルギッシュなお母さんでこどもとともに自らが育つことができたことを感謝されていました。

綾瀬市からは武藤初美さん(綾南保育園園長)が参加され、保育園児の親が非常に忙しくスキルが少ないことを指摘されました。先生と保護者の中で信頼を培いそのうえでこどもの障害について解決を目指すという丁寧な取り組にで支援を実施されていることをお聞きすることができました。平成21年度から保育要録が義務付けられ小学校へ提出されているそうです。
こどもの継続支援がなされることはとてもありがたいことで、ぜひ幼稚園でもこのような取り組みとそのための支援を考えていきたいと思いました。

最後に県の伊藤さんが発言されていましたが、神奈川県はこれまで他県より一歩踏み出した支援をおこなっていて、障害のある子どもたちの支援ではなく、すべての子どもたちに支援を欲する場面があるのだからその時々に適切な支援を行っていくというものです。

つまり、「支援は場面につくものであり、人につくものではない」という考え方です。

不登校の子どもや、家庭環境に問題のある子ども、障害のあるこども、心が弱っているこども、すべての子どもに支援が必要な場面があります。その支援を的確に見極め、連携をして支えていくことが神奈川県の支援教育なのです。

先月地元中村の青少年健全育成会の地域情報交換に出席しました。
それぞれの課題があり、どうすればいいか問題を解決ができるかを探るために様々な情報を交換されました。
神奈川県の考え方に基づき支援教育の観点でどのような取り組みができるか今後県との連携も考えられると思います。

支援は誰がやると決めがちですが、そうではなく誰と一緒にやるかです。
私も自治体議員として市が政策的に支援のネットワークづくりに取り組むよう働きかけていきたいと思いました。