寺尾上土棚線の北進

「藤沢相模原線整備に関する勉強会」という名称で、寺尾上土棚線県道以北の整備についての勉強会が発足しました。
綾瀬市が事務局で、相模原市座間市、海老名市、神奈川県、厚木土木の担当者がメンバーです。
年4〜5回のペースで開催し、2年間の予定だそうです。
これまで30年以上都市計画道路として決定しながらも事業が全く進まず、住宅が張り付いていることもあり、地域分断や住環境への影響が懸念されていることもあり、どういう風に事業化できるか検討していくというものです。

とはいうものの、神奈川県のみちづくり計画では今後10年間は事業化の予定はありません。
ですが、相模原市政令市に移行する2年後に見直しをすることを勧めることで、県の相模原市分の整備事業予算が浮いてくる予算に寺尾上土棚線北進計画の事業化を組み込むよう働きかけることが目的です。

寺尾上土棚線に関してはこれまで全く動く気配はありませんでした。
県は勿論のこと、座間市、さらには相模原市への延伸は、座間市も全くと言って議論が進まなかったのですが、市長が交代して理解を示したように聞きました。
また、神奈川県もいまだ事業化という意欲はなく、東名綾瀬インターチェンジの設置事業化がこれからの状況で設置促進の会議には気が進まないようにもうかがっています。
さらに設置ルートの移動の話も出ていると担当者が言われていたので、もしそうなったときは規制をかけられた地域住民にとっては数十年の行政への損害賠償請求も出てきます。

様々な課題がある中、海老名市ではさがみ縦貫道の海老名北ICが来春開通し、車の流れが変わってきます。それも勘案しなければなりません。
神奈川県は平成9年度に作成したかながわ交通計画で、2015年にむけて連携軸の整備強化をあげています。
県央は環境共生生活都市圏と分類され、南北方向の連携軸としてさがみ縦貫道にそった相模連携軸を設定しています。
更に、環境負荷の課題にも取り組む必要があると述べています。

綾瀬のみちづくりに関しては、今総合都市交通計画が策定中で、綾瀬市マスタープランも審議会に答申中です。
そこで様々な議論がなされることになりますが(わたくしも経済建設常任委員会の委員長なので21,22年度の2年間、都市計画審議会委員に任命されています。)綾瀬市の中央南北を4車線幅員約40メートル道路が東西に分断することが、これからのまちづくりにどのように影響していくかよく考えていかなければなりません。

以前一般質問でも話をさせていただきましたが、アメリカでは道路に接している場所に住む住民は、その道路の幅員に比例して道路反対側との交流が希薄になるというデータが取られています。道によってコミュニティは分断されるのです。

低炭素社会を目指さなければならないのに、車の流入を促進する政策に綾瀬市がエネルギーを注いでいくことは、将来住民への負担となるのではないかと危惧しています。