座間市にて『基地問題と地方自治体』の講演会に参加してきました。

satakeyuri2005-05-18

昨日17日座間市ハーモニーホールにて「キャンプ座間米陸軍第一陸軍司令部移転に伴う基地強化に反対する座間市連絡協議会」主催の講演会に参加してきました。
テーマは「基地問題地方自治体」についてです。講師は法政大学教授 本間 浩氏で、地位協定を専門にされているとのことでした。
先生は地位協定が、日米間において日本に負担を強いる条例内容になっていることを資料を参照しながら詳しく説明されました。
 例えば、駐在軍人の住居の建設費は3条により全額負担となっていること。建物の老朽やリロケーションも日本が負担する旨故大平総理の時に協定が結ばれたこと。また、皆さんご存知かもしれませんが、水道光熱費も全て日本が払っています。つまり米軍住宅(建設ももちろん日本持ち)は水道光熱を使い放題なのです。
しかしそれは時の政府が条例という約束をしているから合意の下です。

 このような地位協定はドイツとNATO軍の間にもあります。基地には公務によっては自治体首長も立ち入ることができたり、駐留している軍隊のおこなうことにたいし、市民が訴えることもできるなど日米地位協定と違って積極的介入がなされています。
背景としてドイツの場合1993年にドイツは政権を交代するほどの大事を経て見直しながおこなわれた事があり、また基地も4割が返還されているので、国民と駐留軍との間に感情的な摩擦が少ないようです。日本は政権保持に固執するので、身を捨てて国家の為に改革を行うということはとてもできないですね。

 でもなぜ日本が地位協定を見直ししないか(できない)というと、皆さんご存知のように周辺諸国の脅威に対し米軍の軍事力を頼らざるを得ないという理由があります。国は運用で対応し、地位協定の改定はしないという姿勢です。結局軍事バランスを考えて、日本があえてしないそうです。しかし、今後盛り込むべきこととして環境保護、公衆衛生、災害救助など協定を結ぶべきだと言われました。そのとおりだと思います。

米軍第一司令部がどのような組織かというと司令部頭脳集団で約300人程、下に現役2個旅団を抱え、有事の際は15万人の指揮をします。移転の理由についてはアメリカの財政赤字(地位協定を充てにしている)や、韓国での反米運動などもがあるそうです。話の中で、米軍の中では日米安保があるから、極東を出たら戦闘をおこなえばいいという発言もあるそうです。付け加えると、米軍再編の決定権はアメリカにあります。

先生が言われるには、日本はこれまで自治体の問題から逃げてきている。地域住民の声が再編に関し届くことはとても難しいがアメリカは民主主義の国だから、声を上げていくことも大事。例えば再編でやってくる米軍の家族らと市民交流を行い、日本の基地の状態を理解してもらうことも手であると言われました。

頭を抱え込みたくなる状況ですが、先生の言われる民主主義国家である米国の世論への影響を信じて運動は続けていくべきだと思いました。