なぜ地域活性化インターに異論を唱えるか。

何よりコストの問題です。

綾瀬市は神奈川県が事業主体となるというけれど、参考までに神奈川県は予算総額1兆5700億円(借金が8%これは将来世代まで応分に負担するため)のうち義務的経費が8割型を占めています。つまり2割しか自由に采配できないということです。参考までに今年度県の土木費予算が1482億円です。
綾瀬インターの設置費用が、これまでの調査より150〜200億円。この事業費は道路公社(神奈川県道路公社)が料金収入によって償還するといいますが、もちろん工事には国から借金をして26年かかってはらうわけです。でも、それをきちんと積算するのも将来一日26000台/100円の通過を計上しての事です。
県は平成9年には貯金が0になり赤字となりました。その教訓をへて、堅実な予算組みをしています。県はとても余裕のある状況ではないのです。そんな県が事業主体となるかどうか。

綾瀬市コンサルタントが調べた綾瀬インターチェンジ設置の為の調査結果中間報告を市議会に提出してきたのですが、あくまでもインターによってメリットがあるのは県央全体で見た場合です。県央が空洞化しているというけれど事業所が減ったのは綾瀬以外の市。工場用地が空いてインターをまっているのは隣の市です。では綾瀬市がインターをつくることによって工場誘致ができるというが、候補地が水久保地区の調整区域。あとの落合地区は国が計画している第二東名のインター設置予定地です。となると綾瀬に工場誘致ができるわけがない。今の工場が立ち退きした場合のその後の誘致には影響が大きいでしょう。
もちろん市内に住む人たちは便利にもなるでしょうが、地域活性化インターチェンジを設置する場合、マイカーの通過ぐらいでは採算が取れません。どんどん工業系の車が通らないと払えないのです。ではどのくらい増えるかというと、今寺上線の寺小橋前後での測量は一日300台(中間報告資料より)です。約8.6倍の交通量になるわけです。しかもその寺尾上土棚線の南落合地区には第二東名高速道路のインターができるのです。わずか数キロ県道の間にインターが2つです。
もちろん綾瀬市の工場以外からの流出入が増えるのですから、周辺の道路整備は必然的に進まざるをえなくなるでしょう。便利になり、道は広くなり、車がとても増える。それが将来のまちづくりにいいことかわるいことか判断しかねるところです。

私見ですが、県央発展のために東名へインターを設置したいのであれば、可能性のある選択肢を提示する必要もあるのではないかと考えます。そこで提案するのが海老名サービスエリアへのスマートインターチェンジです。今年度国土交通省が重点施策として進めるもので、何しろ、減速加速道は既にあるわけだし費用もわずかですみます。一応周辺道の市道整備は自治体負担になるでしょうが、そこは話し合いで解決すべきでしょう。

現時点で綾瀬市は県にインター設置については「あなたが先頭にたってお金も出してつくってください!みんな欲しがってます」とお願いしているのです。県が「割りにあわないよ」というと事業事態が白紙になるのです。要綱によると、地方道路公団が採算性を積算し残りを地方自治体が負担してよというものです。そのときの額を綾瀬市が払えるかですね。

ところで平成19年度末さがみ縦貫道の海老名ICが開通し、そこからはいって、東名に乗れるようになります。つまり厚木への橋を渡らずに乗れるわけです。藤沢から海老名への流れが進むと道の拡張もありうるでしょう。ちなみにさがみ縦貫道は国土交通省、公団の予算です。

となるとますます県が莫大な費用をかけてやると思えない。

でも県央の発展の為には高速道路との接続はあって欲しい。

可能性としてあるのが海老名SAへのスマートインターチェンジ設置というわけです。

皆さんは、もし実際に綾瀬インターチェンジの設置が事業化されて工事が進み、開通して利用できるようになるのがいつ頃だと思っていらっしゃいますか?
寺尾上土棚線の富士見会館より北は計画決定されたのが昭和36年です。工事はおおむね10年といわれていますが、いったい何時になる事やら。
インターが計画決定されて、寺尾上土棚線が開通して市民が綾瀬に開通するインターチェンジを通れるようになるのはそれこそ十数年以上先のことです。